在宅避難

概要

被災した自宅で避難生活を続けること。

水害で1階が被災した家屋の2階部分のみでの生活や、地震での倒壊が少ない家屋で生活を続ける場合など。

地震や水害などで被害を受け、全壊と判定されるような家屋でも、工夫次第で住めることもある。

在宅避難者、在宅、軒先避難など、さまざまな呼び方がある。

また、(制度の運用が変わりつつあるが)応急修理制度利用と仮設住宅の入居のどちらかを選択しなくてはならない。

このため、水害の場合は特に、被災した自宅が完全に復旧する前に、工事中の自宅に戻って生活を始める場合も多い。

避難所での集団生活が合わない方が自宅復旧前に在宅避難へと切り替えてしまうこともある。

避難所に在籍していない分、所在の確認が遅れたり、行政サービスや支援から漏れてしまうことも多い。

早期に在宅避難者の実態調査をすることが望ましいが、マンパワーの不足などから実態把握が遅れがちである。

課題

工夫をしながら生活を続けられていることが多いが、被災によって生活環境が悪化している場合が多い。

水害で1階が被災した場合に、2階だけで生活するケースがよく見られる。

しかし、生活に必要な水回りは大抵の場合1階に集約されている。

キッチンが使えないためカセットコンロだけでしのいでいたり、お風呂に入れないので入浴ができていなかったりする。

復旧の段階で壁や床の撤去がされている場合は隙間風がひどく、寒さ対策などが必要になる。

こうした生活環境悪化の対策として、避難所にいない住民が参加しやすい炊き出しの実施や、集会所などを使った支援物資の配布、入浴施設までの移動支援、床の仮貼りなどの支援が必要になる。

また、仮設住宅などでの避難生活により地域住民が少なくなっていることが多い。

人が少なくなった被災地での生活で、孤独感や夜間の防犯面の不安などを抱えていることもある。

定期的な訪問やみまもりによって心身の健康状態を確認したり、話し相手になって不安を和らげる必要がある。

事例

熊本地震の被災地域の西原村では農家も多かった。

朝早くから畑に出て作業し、夜は泥だらけで帰ってくる生活スタイルは他人に迷惑をかける、と在宅避難をする方も多く居た。

自宅は損壊を受けていて使えなかったが、農業用のビニールハウス内や倉庫を活用して自宅(の敷地内)で避難生活を続けるケースがいくつもみられた。

水害の場合は、浸水した所の壁や床を撤去して張り替えることが多い。

この修繕工事に時間がかかるため、工事中に在宅避難をしている場合は壁や床の隙間風と寒さ対策が必要になる。

また床を剥がしてしまうと、下地の枠組みだけになってしまう。

2階での生活だとしても、1階部分の移動が必要になる。

この枠組の上を移動していて落ちてしまい大怪我をしたというケースも頻繁に発生している。

高齢者の場合は特に危険である。

このため、玄関から2階までの階段や1階の仏間までなど、必要最低限の導線にベニヤ板などで動線を作る支援も重要になる。