カビ

主に水害後に家屋の各所に発生するカビ。発生しやすい環境を絶やすことにより、カビが生えづらくなります。カビにより、建物は傷みやすくなり、カビの胞子を吸い込むことで健康被害につながることもあるため、できるだけカビは除去することが望ましいと考えられます。

カビの発生条件

温度・湿度・餌(栄養)が揃うとカビは発生・増殖します。
特に湿気はカビ発生への影響が大きいとされています。
通常の住宅等で水回りにカビが発生しやすいのも、湿度が影響しているといえます。

カビの発生を防ぐために

カビの発生を防ぐには、一番は湿度を下げることが必要です。また、水害前にはなかった水分を「乾燥」させることにより、発生条件を整えないことでカビが発生しづらい環境をつくることができます。
ただし、水害の汚水等で汚れたままでは衛生的にもよくないため、家屋に付着した泥等を洗浄することにより、カビの素となる栄養素を除去し、乾燥させて湿度を下げることにより、発生条件を満たさなくすることが望ましいです。

カビを除去するためには

カビの除去に「カビキラー」など塩素系の薬剤が使用されますが、薬剤を散布したまま洗い流さずに放置すると、薬剤そのものが栄養となる場合があり、かえってカビを発せさせる条件を追加することになりかねません。そのため、水での洗浄が難しい場所のカビ除去には薬剤散布は不向きといえます。

家の構造物のうち、壁材(石膏ボード)についたカビの除去は難しいと考えられます。
また、合板(ベニヤ板やコンパネ、圧縮された木材など)も、隙間に入り込んだ水分が乾燥しづらいため、カビの温床になりやすいといわれています。
そのため、石膏ボードや合板の浸水した物は廃棄することが望ましいと考えられます。

一方、木を切っただけの無垢材は、カビの拭き取り、研磨などにより、カビそのものを減らすことができ、また乾燥させることもできます。

何よりも乾燥を進め、湿度を下げることがカビ発生を防ぐ一番の対応方法です。

  • 乾燥を進めるためにはできるだけ外気を継続的に送り込むことが有効です。しかし、季節的に外気を常時取り込むことが難しいこともあります。
    その場合には、扇風機や送風機等で風を送りつつ、エアコンのドライ機能を併用することで乾燥を進めることができます

なお、(FFヒーターを除く)灯油を燃焼とするストーブやファンヒーターで乾燥を進めても、灯油の燃焼時に水分を発するため、かえって湿度をあげてしまうことになり、カビの除去には不向きといえます。

カビによる健康被害
カビは放置すると大気中にカビの胞子が放出され、その胞子により健康を害することになる場合があります。空中に漂っている胞子を吸い込むことにより、肺や気管支に異常をきたす肺アスペルギルス症となる恐れもある。免疫抑制剤やステロイドを使用している場合などには、カビ菌が血管内に侵入してさまざまな臓器を侵してしまうこともあります。また、肺だけでなく、副鼻腔炎や外耳道炎を起こしたりする場合もあるとされています。