水害後の家屋保全の手順

水害後の家屋保全の手順
水害では、土砂等の堆積や流木等の漂流物の有無により、家屋に近づくことすらできない場合もありますが、本項では家屋に出入りできる状況を前提として、水害後の家屋復旧に至るまでの段階を記載します。

上図のように、水が引いた後には、まず濡れた家財等を廃棄のため搬出することから始まります。

搬出後に、

  • 廃棄するモノ 
  • 残すモノ 
  • 後で判断するモノ 

に大まかに分けておき、廃棄するモノは仮置き場等へ搬出します。

家財が片付いた後、床上の泥等を除去したうえで、家屋そのものに対して、保全を目的とした活動が始まります。

水害後の家屋保全についての順序は、基本的には上から行うことが望ましいです。

具体的には、2階の床上まで浸水した場合、2階の壁→2階の床→1階の天井→1階の壁→1階の床 の順に、剥がすなどの対応をし、最終は1階の床下を乾燥させて全体を消毒し、更に乾燥させることにより、家屋そのものが水分(湿気)により傷むことを最大限防ぐことにつながります。

家の構造物の中で、主となる柱や梁(はり)、根太(ねだ)、大引(おおびき)、束(つか)は除去せず、洗浄して乾燥させます。

天井や壁、床財は濡れたまま放置すると、カビの温床となるなど、家屋の構造物を傷める原因となるため、早めに除去することが望ましいです。

床材が無垢(一枚ものの板)の場合は、洗浄して乾燥(陰干し)すれば再利用ができるため、廃棄しないでおきます。

外壁面の内側、床下、天井の上などに断熱材が入っていることがあり、繊維状の断熱材の場合は大量に水を含み、乾燥ができない為、必ず撤去してください。

床下の断熱材が発泡スチロール状のスタイロフォームの場合も、スタイロフォームそのものは水気を吸収してはいないが衛生的・機能的観点から撤去~入れ替えが望ましいです。

参考資料

 水害後の家屋への適切な対応について、まとまった資料があるため、参考にしてください。
【参考】http://u0u0.net/TuIT

 なお、水害後の家屋保全の手順の他、制度面等の解説もされている冊子「水害にあったときに」(作成:震災がつなぐ全国ネットワーク)がWeb上で公開されています。
【参考】https://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420